「発達障がい日記 - P6」　小林あゆみ

取捨選択

私は、外部からの刺激を取捨選択できず、すべて受信してしまう。
そうすると、脳に与えられる情報量に対処できなくて、頭の中が古いパソコンの処理落ち状態になる。延々と読み込み中な状態になるのだ。 その状態はなかなかつらいので、そうならない工夫を試した。

数年前から私は、畑作業をするようになった。そして草むしりなどの作業中は、無心になれることに気付いた。
とにかく土いじりをしたり、工作をしていると、情報の波に溺れたりせずに、目の前にある物事に着手できるのだ。
手芸や絵を描くのも同じことが言える。
無心に何かに取り組むことが、私の癒しであり、さらに畑は、収穫すれば家族に喜ばれる。
今年は九州などではメジャーな野菜『かつお菜』の種をメルカリで購入し、育てて収穫した。かつおみたいにコクのある風味の野菜は、味噌汁によく合った。
とうもころこしは害獣に取られたり、とにかく畑仕事は小さな失敗と挑戦の繰り返しだ。

うまく行かないことの方が多いので、もはや失敗したという感覚も薄れた。
トライ＆エラーの体験ができるのは、人間の生活に役立っていると私は思う。小さな失敗を繰り返して得られた成功は、めっちゃ嬉しい。

無心に何かをするので、過集中に気をつけなければならないが、何も考えない時間は、私の体に良い影響を与えた。
畑や手仕事は楽しい。発達障がいのおかげで無心の良さ、ありがたみを私は感じることが出来た。