☆不定期にて更新予定

「工房とんとん」を利用されていた小林あゆみさんが、自身の障がいを客観的に見つめる事によって、変化していく内面の葛藤を、楽しく・切なく語っていくエッセイです。
みなさんの日常にも照らし合わせながら、ご覧ください。

認識と現実

私が自分の障がいの特性でかなり悩まされたのは、目の前の出来事を記憶できない事でした。
短期間の記憶に関する能力が弱いので、学校などで先生が教えてくれる『お手本』が一切覚えられないのです。

私は三十代に発達障がいがあると分かったので、当時自分にそういう特性があると知らないまま俳優育成の学校に進学したのですが、ダンスの授業で教師がした『お手本』の動作をひとつも覚えられない事態に陥りました。

歌唱や芝居の授業はまあまあ出来たのですが、ダンスは目で覚えなければならない部分が多く、映像で物事を記憶するのが苦手な私は非常に困った覚えがあります。


そして数年後、私は踊ること自体は趣味程度で続けてました。そこでふと気付いたのですが自分の踊り方はロボットダンスみたいなカクつき、動作から動作への『詰まり』がある事に気付きました。
目視で『お手本』を記憶する能力が弱いという事は、映画やテレビの映像を連続写真でしか認識できてない状態に近いのではないかと推測したのです。
だから『お手本』に関する一連の映像が何枚も抜け落ちているのではないか、そしてその足りない情報を私はインプットし身体がアウトプットすれば、それはやはり幾つも動作が抜け落ちた動きになって、コマ送りや連続写真のような動作に繋がるのでは?

だから私はダンスの動きが出来ないのではなく、脳がギリギリ記憶できた分の情報だけを、身体で完璧に再現していたのではないでしょうか⁉


こういった現象を、「認識と現実での誤差がある」と表すようなのですが、それを実体験としてまあまあ言語化できて、長年の謎が解けたので、めっちゃ嬉しかった私なのでした。


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